皆さんの中にもご記憶の方があると思いますが、昭和29・30年の2年間にわたり、全国的に農地にホリドール、パラチオンの劇薬が使用されましたが、当時、小野地区においても約570haの全水田に防除班を編成され、共同防除により一斉に散布されました。その結果、ホタルはもちろんですが、へび、ドジョウ、タニシが姿を消し、養蜂家によって飼われていたミツバチまでもが死滅してしまいました。
しかし、ここ2・3年前ごろから、小野地区でもホタルの発生が報告されはじめ、今では小野地区内のほとんどの河川、水路でホタルが見られるようになりました。
それは、まず米作りの技術の向上や、消費者の低農薬米嗜好などの消費者動向、米の低価格化等によっての米の滅農薬栽培が進み小野地区でも環境に配慮した農業が取り組まれるようになったことと、宇部市が実施しています河川工事は平成7年から豊かな自然・身近な自然を保全し、生態系に配慮した河川公共工事が実施されるようになり、小野地区内においては花香の七福茶園の下、藤河内の水路で環境保全型ブロック工法によるホタル護岸化がされました。
このように農家の環境に配慮した米作り、宇部市の行攻施策、などの様々な取り組みによって水がきれいになり、小野地区内のほとんどの河川、水路でホタルがみられるようになりました。
また、山口県内のホタル事情については、県管理河川461河川のうちホタルが多く生息している河川は51河川あり、このうち源氏ボタルの天然記念物指定河川は3水系、25河川(河川延長120km)となっていて、平成14年度山口県の主導により県内のホタルの保護活動団体のネットワーク化が行われる予定となっております。